任意後見や成年後見について調べていくと、「リーガルサポート」という名前を目にすることがあります。聞き慣れない名前ですが、実は後見制度を考えるときの心強い相談窓口です。
リーガルサポートって、なに?
正式名称は公益社団法人 成年後見センター・リーガルサポート。成年後見制度を通じて、高齢者や障がいのある方の権利を守り、安心して生活できる社会をつくることを目的に設立された公益法人です。
会員は全国約8,700人の司法書士(2025年4月時点)。東京の本部を中心に、都道府県ごとに支部が置かれています。
何をしている団体?
リーガルサポートの主な役割は、次のようなものです。
- 後見人になる司法書士を養成する:財産管理や福祉についての研修を行い、後見業務ができる司法書士を育てる
- 後見人を紹介する:後見人が必要な人に、会員司法書士を紹介する
- 後見人を監督・指導する:後見人となった会員から定期的に業務報告を受け、適正に業務が行われているかチェックする
- 相談・教育活動を行う:後見制度についての相談を受け付けたり、講座を開いたりする
つまり、「後見人になる人を育て、紹介し、その後もちゃんと見張っている」団体だと考えると分かりやすいです。個人が後見人を探すとき、いきなり知らない司法書士に連絡するより、この仕組みを通したほうが安心感があります。
どんなときに頼ればいい?
- 「任意後見契約を結びたいが、誰に頼めばいいか分からない」
- 「後見人の候補を探している」
- 「成年後見制度についてまず基本的な話を聞きたい」
こうした段階で、最初の相談先として利用しやすい窓口です。契約を急かされることもなく、制度の説明から聞けるのが特徴です。
地元の支部を探すには
リーガルサポートは都道府県ごとに支部があります。「リーガルサポート+お住まいの都道府県名」で検索すると、地域の支部のWebサイトが見つかります(例:リーガルサポート東京支部、リーガルサポート大阪 など)。
支部によって相談方法(電話・面談・予約制など)が異なるため、まずは支部のWebサイトで相談の受け方を確認するとスムーズです。
弁護士版の「ホームロイヤー」との違い
似たような役割のものに、弁護士会が提供する「ホームロイヤー」制度があります。
| リーガルサポート | ホームロイヤー | |
|---|---|---|
| 会員の専門職 | 司法書士 | 弁護士 |
| 主な役割 | 後見人の養成・紹介・監督+見守り契約・財産管理等委任契約の支援 | 見守り・財産管理・任意後見までの継続的な顧問サポート |
| 向いているケース | 後見手続き・財産管理が中心の相談 | 法律相談全般まで含めた生活密着型の継続支援 |
どちらが良い悪いということではなく、何を頼みたいかによって最初の窓口が変わる、というイメージです。後見手続きや財産管理が中心ならリーガルサポート、法律相談まで含めて継続して頼りたいならホームロイヤー、という使い分けができます。
見守り契約は、リーガルサポート経由でも用意できます
ひとつ補足しておきたい点があります。任意後見契約そのものがスタートするのは、判断能力が低下して家庭裁判所が任意後見監督人を選任してからです。では、それまでの元気な期間はどうするのか——実はリーガルサポートも、この期間を埋めるために「見守り契約」を任意後見契約とセットで結ぶことをすすめています。定期的な面談や連絡を通じて、判断能力の変化に気づけるようにする仕組みです。
つまり、日常の見守りはホームロイヤーだけの役割ではなく、リーガルサポート経由の司法書士でも用意できます。違いは「見守りができるかどうか」ではなく、担当する専門職とカバーする範囲。司法書士の見守り契約は財産管理や後見関連の手続きが中心、弁護士のホームロイヤーは法律相談全般まで含めた、より生活密着型の継続支援という色合いです。
どちらも「元気なうちに契約しておいて、変化があったらすぐ動いてもらう」という発想は同じなので、相談したい内容の得意分野で選ぶとよさそうです。
会員数より、気の合う人を
リーガルサポートは全国約8,700人の司法書士会員が50支部で活動しており、規模がはっきり分かります。一方ホームロイヤーは弁護士会ごとの運営のため、全国合計の登録者数は公表されていません。
ただ、これは「どちらが優れているか」という話ではなく、団体としての情報公開の仕方が違うだけです。会員数の多さや分かりやすさで選ぶ必要はありません。
エンディングノートは、自分の「つづき」を託すものです。だからこそ、規模や知名度よりも、実際に会って話してみて「この人になら任せられる」と思える相手を選ぶことが一番大切です。リーガルサポートもホームロイヤーも契約前に面談の機会があります。合わないと感じたら、遠慮なく他の候補を探し直してください。
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