「自分が先に逝ったら、この子はどうなるんだろう」
ペットと暮らしている方なら、一度は頭をよぎったことがあるのではないでしょうか。特に一人暮らしの方にとって、これは「もしも」ではなく、いつか必ず来る現実です。
調べてみると、知らなかった事実がいくつもありました。重たい話ではありますが、知っておくことで備えられることがあります。一緒に確認しておきましょう。
法律上、ペットは「物」として扱われる
日本の法律では、ペットは「動産(物)」として位置づけられています。つまり、飼い主が亡くなったとき、ペットは家や預金と同様に「相続財産の一部」になります。
ただし、金銭的な価値があるものではないため、遺産分割の対象にはなりません。多くの場合「形見分け」という形で誰かが引き取るか、誰も引き取らなければ……という状況になります。
引き取り手がいないと、どうなるのか
引き取り手が見つからなかった場合、ペットは保健所に連れて行かれることになります。しかし保健所にはペットを飼育する機能がありません。近年の法令改正により、そもそも引き取れないケースも増えています。
最悪の場合、殺処分になる可能性があります。
また、一人暮らしで孤独死の場合、発見が遅れることがあります。外に出られないペットは水も食事もなくなり、飼い主と一緒に衰弱した状態で発見されるケースが実際に起きています。
生前にできる備え ── 5つの選択肢
こうした状況を防ぐには、生前に「行き先」を決めておくことが唯一の方法です。選択肢をまとめました。
① 動物愛護団体への事前登録(最も確実)
行き場を失った動物の引き取り・譲渡を行うNPO・動物愛護団体に、生前から相談・登録しておく方法です。法人格を持つ団体に預けられれば、ペットは適切にケアされます。
「地域名+動物愛護団体」で検索すると、近くの団体が見つかります。事前に相談できる窓口がほとんどです。
② 里親を生前に探す
里親募集サイトやSNSで引き取り手を探す方法です。近年は保護猫ブームもあり、里親は以前より見つかりやすくなっています。ただし、数週間〜数か月かかることも。早めに動くのが得策です。
③ 親族・知人に頼む(ただし注意点あり)
「亡くなったら引き取ってほしい」と口頭でお願いするだけでは、法的な拘束力がありません。確実にしたい場合は、負担付贈与契約(財産を贈与する代わりにペットを引き取ってもらう約束を公正証書で残す)という方法があります。
④ ペット信託
信託会社にペットの飼育費を預け、万が一の際に後見人へ引き渡す仕組みです。法的に確実な方法ですが、初期費用約15万円+年間20〜30万円程度かかります。
⑤ ペット後見人サービス・老猫(老犬)ホーム
NPOや専門施設が「ペット後見人」として引き継ぐサービスです。費用は100万円以上になることが多く、経済的な余裕が必要ですが、最後まで責任をもって世話してもらえます。ペットが高齢の場合は、老猫・老犬専門の介護施設も選択肢に入ります。
ペットのために、今すぐできること
難しく考えなくても大丈夫です。まずはこの3つから。
- 「引き取り先候補」を1か所決める(動物愛護団体・知人・里親サイトなど)
- その人・団体に事前に話しておく(口頭でも、まずは意思確認を)
- エンディングノートにペットのことを書いておく(名前・年齢・かかりつけ獣医・食事・薬・性格など)
エンディングノートのペット欄は、「飼い方の引き継ぎ書」でもあります。新しい飼い主がスムーズにケアできるよう、できるだけ具体的に書いておくと安心です。
「自分が元気なうちに会ってほしい」
引き取り候補の方に事前にペットと会ってもらうことも大切です。「会ったこともない動物を突然引き取る」のは、どんなに善意があっても難しい。生前のうちに関係を作っておくことが、ペットの安心にもつながります。
ペットのことを考えると、自分自身の「もしも」の準備も自然と進みます。大切な存在のために備えることは、自分の人生を丁寧に生きることと、きっと同じです。


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